1979年第17号(9月5日号)に掲載された記念すべき第100話で事件が起こる。
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一人の医師の選択が描かれる。
しかしそれはフィクションとして許される範疇を超えてしまっていたのか・・・
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次号「内容に障害者差別、医師の倫理の問題が含まれているとのご指摘をいただきました」
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そして次々号には、寄せられた意見と編集部の見解、そして回収協力のお願いが掲載された。
意見の主は、全国障害者解放運動連絡会議、りぼん社理事会、青い芝の会等。
青い芝の会は漫画好きにとっては馴染みの名前か。
思わず慄然とさせられる文章が並ぶ。
リアルタイムでのこの問題の広がりは知らないが、美味しんぼでの福島問題と似たような深刻さを持っていたのではないだろうか。
もっとも、時代的なものがあり、後者は数倍の誌面を割かざるを得なかったのだが。
(この時の誌面も見るだに恐ろしい。)
編集人・猪俣光一郎氏、発行人・小西湧之助氏はこの問題について何か記していないだろうか。
気になる・・
ちなみに、この騒動のさなかひっそりと連載は中止になっている。
「原作者・柿沼宏氏から、病状悪化のため療養に専念し、十分な期間をとって、反省したい旨、申し出がありました。この問題に対する小学館の責任及び作者の病状と反省等を考えて、本号で「夜光虫」の連載を中止することと決定しました。」
「メス」で本格的な医療漫画を開拓し、「夜光虫」でさらなる医療エンターテイメントを確立した謎の原作者・柿沼宏の足跡は表向きはここで途絶えてしまう。
また、夜光虫は12巻まで刊行されているが、全ての話数を足すと98話。合成された話数がないとすると、第100話の他にも未収録があるということか。
12巻の最終話が「依願退職」なのも出来過ぎである。
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