2020年8月7日金曜日

ギャラリーフェイク 連載開始年誤記の悲劇 Wiki丸写しで誰も自分で調べない

 「漫画家本 Vol9 細野不二彦」を借りてみた。面白く読めたのだが、一箇所気になる点が。

「1992年にビッグコミックスピリッツで連載が始まった~」??

ギャラリーフェイクは1991年スタートのはずだが・・・(それも初頭。下手すれば1990年?)

この時は単なるタニグチリウイチの記憶ミス・編集のチェックミスと捉えたが、ふと気になり他での記述を調べてみた。

・・・1992年のオンパレード。逆に1991年と記載しているサイトは見つけるのが困難な状態。単行本発行年を開始年と勘違いするのはよくあるミスだが・・・

例えば、amazonレビュー。「1992年の作品なので、既に20年前の作品。」これでベスト500レビュアー?


電子書籍サイト「Happyコミック」。「1992年にスピリッツにて連載を開始」

吉祥寺経済新聞。「1992年に発表後」

Pixiv。「1992年から~」
そしてビッグコミックBros. 「92年に週刊ビッグコミックスピリッツにて連載を開始し~」
おいおい・・・版元の小学館まで間違うのか?

あまりにも間違いサイトばかりで、逆に自分が間違ってるのでは?と疑心暗鬼に。

国会図書館に行って原本に当たることも考えたが、ヤフオクの画像で事足りた。

1991年9.16号。表紙にギャラリーフェイクの文字発見。よかった!(当然だが)

しかしここまで誤謬が跋扈している理由はなんとなく推測できる。

ということでWikipediaを見てみると案の定。

ここが元凶。ここが震源地。

そして自分で調べないイナゴの群れ。

リアルタイムで読んでいればすぐわかるはずが、ネットでちょいと調べて引用して事足れりと成す態度。版元までそうなのは頭が痛いが・・・そもそもの「漫画家本 Vol9 細野不二彦」も小学館の発行ですし。

そして、せっかくなので元凶の「作者」を探ってみる。

Wikiの履歴機能。遡ること数百。ヤツはいた。

2005年7月に「Shieon」と名乗る者が1992年の記述を加えている。

この人の履歴を見ると、Wikiの編集は2006年で止まっている。ノートを見ると色々揉め事があったことが垣間見れる。なるほど・・・一言でいうと、一番上にある「編集がずさん」という言葉に代表される模様。そんな人物の置き土産が15年後も残ってしまったというわけだ。

せっかくなので直さずに残しておくことにしよう。

名前で検索するとこんなサイトも出てきた。

http://blog.livedoor.jp/shieon/

嗜好的に本人か。男性声優好きねえ。


数少ない1991年開始の記述は、例えばこれ。

http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:D-5wOS8Lb8gJ:www.sonymusic.co.jp/artist/Katteni-Shiyagare/discography/ESCL-2632+&cd=7&hl=ja&ct=clnk&gl=jp

ギャラリーフェイクOPのバンドのキャッシュ。単行本31巻発行とあるので、2005年4月以前のページであることがわかる。この頃は正しい情報のサイトがあったが、上記の2005年7月が分水嶺になったのだろう。しかし1000万部以上売れた人気作でこんなことが・・・(ブツブツ)

0 件のコメント:

読書記:「198Xのファミコン狂騒曲」 塩崎剛三

ありそうであまりなかった ファミコン雑誌黎明期の編集者の本。ファミ通の成り立ちや、当時の空気感を伝える貴重な一冊。編集者も、ペンネームではなく本名で記載されているので生々しさがある。森下真理子についても詳細記載あり。 1989年頃?見た本ではファミマガ120万部、他の雑誌が数十万...